オカリナの家
70代夫婦のための終の住処であるこの住宅は、神奈川県相模原市の横浜水道道緑道沿いに建っている。12キロに渡り相模原を横断するこの緑道は市民の憩いの場となるよう配慮された散歩道となっており、施主も毎朝この道を歩いては友達を増やしている。この建物はそんな散歩道から帰ると前庭を通り玄関へと辿り着く。庭と散歩道の境界を曖昧にし、身近な存在にする事でまるで散歩道までもが自分の家の庭であるかの様に錯覚をしてしまう、そんな構成となっている。内部は、限られた面積が最大限伸びやかに感じられるように、居場所と居場所を必要に応じて分けながらも、空間としての繋がりがひとつになるように意識した。予算も限られていたため、外壁には杉板を使用し、メンテナンスのし易い作りとした。
ご主人様はオカリナ、奥様は大好きな土いじりとお菓子作り、濡れ縁デッキで友達と談笑しながら一日をゆったりと過ごす。大きすぎず小さすぎない、二人にとって最高にちょうどいい平屋が完成した。
- 用途
- 住宅
- 概要
- 新築
- 面積
- 延床面積59.62㎡(18坪)
- 場所
- 神奈川県相模原市
- 完成
- 2012年12月
- 設計
- 前田工務店
シミズアトリエ - 施工
- 前田工務店
- 写真
- アーキノロヂオ