一枚の壁
神奈川県内に建つマンション一室のリノベーション。40代男性ひとり暮らしのための改修である。ご要望は無駄な間仕切りを排除し、南北にある窓を活かして風を通したい。大量の荷物をクリアケースに収納し、その荷物は見えないように隠したい。映画鑑賞をするために奥行きの調整ができる空間が望ましい。生活後のイメージは、ものをほとんど置かずに、生活感を排除し、味気ない家具で雰囲気をつくりたい。そんな要望を叶える為にこのプロジェクトははじまった。プランは話し合いの中で幾度と無く変更が繰り返された。
最終的に、一枚の壁を南北につくる事で、一方を生活空間、もう一方を生活感の感じにくい非生活空間とするプランとなった。仕上げは味気なさをつくるために、既存の仕上げを排除し、出てきた建物そのもののコンクリートやコンクリートブロックを主な仕上げとした。南北に抜ける窓には、真夏の工事に関わらず、全くストレス無く過ごせる心地よい風が抜けていた。味気ない雰囲気の中に心地よい陽が差し込み、風が抜ける。シンプルながら最低限必要なものはそろう。男の隠れ家的な住まいが完成した。
- 用途
- 住宅
- 概要
- リノベーション
- 場所
- 神奈川県
- 完成
- 2016年8月
- 設計
- 前田工務店
- 施工
- 前田工務店
- 写真
- アーキノロヂオ