大島の家
この住宅は相模原の郊外に、新たに分譲された区画の一角に建つ。東西北は近隣が隣接し、南側が道路に面している。この南側の道路は利用者は、主にこの区画に住む近隣である。また、道路を挟んだ向かいにも家が建つため、視線としての抜けはどこへも期待ができない状況であった。この敷地に施主が求めたのは、外へのつながりと解放感。内装は落ち着いたシックな空間。本を読むことが好きな奥様はふと腰をおろして本を読むことができる。そんな居場所を住まいに求めた。ご主人が求めたのは子供と奥様が喜ぶ家。ご要望を敷地に合わせて形にするため、まず初めに取り組んだのは、敷地に対してボリュームの検討である。外とつながる解放感のある空間を求める施主であったが、視線の抜けはどこにも期待ができない。しかし、私どもが形にする住まいはいつも小さい。その小ささを活かし、南側に最大限の庭が取れるよう、東西に建物のボリュームをとり北側に寄せて建物を配置する計画とした。南側にできた庭は、植栽で外部からの視線を遮り、プライバシーが程よく保たれた庭に、室内から視線が抜けるようプランを計画した。また、本が好きだという奥様のために、子供室はこもって落ち着く小さな空間とし、二階の通常は廊下となる踊り場の幅を広げて、図書スペースを確保した。また、ご主人が主に滞在するのは休日の日中、平日睡眠の少ないご主人の休日は、寝室でゆっくりと体を休める事が多いという事から、寝室の採光は天井に設けたトップライトから壁に反射させ、間接的に光が空間に入るよう計画をした。小さく建てる事で実現したこの庭が、この近隣に住む子供たちと、ここに住むお子様との交流の場に。また、近隣のママ友を招き、この庭を眺めながらお茶をするママ友との憩いの場となる事を期待している。解放感と落ち着きに満ちた心地よい住まいが今回も完成した。
- 用途
- 住宅
- 概要
- 新築
- 面積
- 敷地164.4㎡ 延床面積81.98㎡
- 場所
- 神奈川県相模原市
- 完成
- 2019年3月完成
- 設計
- 前田工務店
- 施工
- 前田工務店
- 写真
- 山内紀人